リフォームで解決!要介護でも諦めない、わが家のお風呂

「先進国の2007年生まれの2人に1人が103歳まで生きる時代」、それが「人生100年時代」といわれるいまの世の中です。高齢者が増加し、在宅介護に取り組む家庭が増えています。

自宅のお風呂、いまのままだとお義母さんが使いにくいわ
もっと便利に、安心して入れる方法はないだろうか

家族が心地よく快適に過ごせるように。バリアフリーの発想を取り入れることで日々の負担や不安を軽くする、そんなリフォームをご紹介します。

 

入浴サポートの第一歩、まずは手すりの設置を

浴室においてあるシャワーチェア

高齢者の転倒は骨折に直結し、寝たきりへとつながってしまうことが多くあります。浴室では転ばない環境を作っていくことが重要です。

まずは浴室に手すりを設置しましょう。一か所だけでなく、浴室での動きをフォローできるよう、目的に応じた手すりを複数設けると、入浴の助けになります。

 

浴室に入る・出る

・浴室のドアを開けてすぐの壁に、縦型の手すりを設置

・浴室への一歩目が安定し、

濡れた床でも足をとられることがない

・出るときにはドアを開けやすく、

脱衣所への踏み出しもサポート

洗い場を移動する

横型の手すりを持って移動

・長さを十分に取れば、浴槽近くまで安心して歩ける

体を洗う

 

・髪や体を洗うなど、上下の動作が伴うときは、

 縦型やL字型の手すりが便利

 浴槽へ入る・出る

・上下の動きがあるので、

 縦型やL字型の手すりを提案されることが多い

・福祉用具として浴槽を挟んで設置するタイプの手すりもある

浴槽内で移動する

・横型やL字型のものがよく選ばれる

・入浴中に姿勢や向きの変更を安定して行うためには、

 浴槽奥の壁に設置するのがおすすめ

 

設置後すぐに活用できる手すり。もっとも取り入れやすいリフォームではないでしょうか。

 

滑りやすい浴室の床を一新、安心を足もとに

手すりの設置と同様に、浴室での転倒防止に効果のある方法が、床の滑り止めです。ひやひやしながらの入浴ではリラックスも難しいもの。安心できる足もとはどうすれば得られるのでしょうか。

 

コストをかけないすべり止め対策

すべり止めマット

福祉用品として多く流通しているすべり止めマットは価格帯も幅広く、取り入れやすい製品です。凹凸のついたゴム製のものが多く、いろいろな浴室にフィットします。浴槽の中に置くこともできます。

すべり止め材

水はけがよく、滑りにくい材質の床は安心につながります。既存の床材の上にすべり止め材を塗ることで、表面がざらついて滑りにくくなります。効果は1、2年と言われています。

機能性床材で安定感アップ

ノンスリップタイル

在来工法の既存の床にコンクリートを打ち、ノンスリップタイルを敷くという選択肢もあります。ノンスリップタイルとは、表面に凹凸加工をしたタイルで、フラットなものよりも滑りにくくなっています。好みの色調を選べ、見た目もよく仕上がりますが、工期とコストがかかります。

 

高低差をなくして危険を回避、転倒を防ぐ

 浴室と脱衣所の間にまたぐ動作が発生する場合は、転倒に注意が必要です。足が上がりにくくなっていると、少しの段差でもつまづくおそれがあります。こんなときに有効なのが、高低差をなくすリフォームです。

床を高くする

在来工法の浴室の床にコンクリートを流し、高さを調節します。排水用の溝をつけておけば、脱衣所に水が流れ込むことはありません。スムーズな移動のできる快適な浴室が叶えられます。

すのこ

大がかりな工事は……という方には、介護用のすのこがおすすめです。浴室の床全体をおおう大きさのすのこを設置すれば、利用中に動くことがなく安定します。いくつかに分割しておけば、取り外しがしやすくお手入れにも便利です。

すのこの持つ高さで浴室床がかさ上げされ、段差が小さくなります。フルフラットにする高さのものがあればよりよいでしょう。また、床の冷たさを軽減する効果もあります。

危険度の高いヒートショックを未然に防ぐ、浴室暖房

2020年2月に亡くなった野球評論家の野村克也氏の死因がヒートショックによるものではないかという情報が流れました。

※「ヒートショック」とは?

「ヒートショック」とは暖かい部屋から寒い部屋への移動など、温度の急な変化が体に与えるショックのことです。このことで血圧が変動することが入浴事故の要因の一つと言われています。特に高齢者は血圧変動が起こりやすく、体温調節機能も低下する傾向があることから注意が必要です。

参考:STOP!ヒートショック

消費者庁からも入浴前に脱衣所や浴室を暖めることが推奨されています。新築住宅にはつきものとなった浴室暖房ですが、住み慣れたわが家でも導入可能です。

 浴室外に設置

導入が最も簡単なのが脱衣所にヒーターを置くことです。温風の出るタイプを選び、浴室に向けてつければどちらの部屋も温まります。

一方で、温める空間が広くなるため、長い時間つけておかなければ思うような温度にならず、効果を感じにくいことも。

 浴室内に設置

壁掛けタイプ

元からある換気口を生かして設置するのが壁掛けタイプ。浴室のタイプを問わずに導入が可能です。浴室を大きく変えることがないため後付けに向いています。

ビルトインタイプ

天井に埋め込む形で設置するビルトインは見た目もすっきり。暖房はもちろん、乾燥・涼風・ミストサウナがついている高機能なものもあります。

天井裏に納めるスペースがあることが前提のため、希望してもつけられない可能性もあります。コストがかかってもかまわない、目立たないのがいちばんという方に。

しっかりとした効果を求めるのであれば浴室内設置がおすすめです。

 

まとめ

ここでは手すりと段差解消、浴室暖房に注目しましたが、ほかにも浴槽を浅いものに交換する、福祉用具(リフトなど)を設置することが考えられます。

介護を目的としたリフォームは、介護保険の適用となり、住宅改修費の一部が助成対象となります。

公的補助を生かし、快適な浴室環境を目指しませんか。